一般社団法人日本CATV技術協会では、これまでCATV技術者資格制度を推進し、技術者の育成に努めてまいりました。
現在、CATV 事業を取り巻く環境は、放送のデジタル化や放送・通信の融合に始まり、4K8K 放送など、高度化していく放送技術や多様化するサービスなどの幅広い知識を必要としています。この社会的要請にこたえるため、日本CATV技術協会では、CATV技術者資格制度が制度開始から満10年を迎えるにあたり、現行資格制度の見直しを行ってきました。その結果を踏まえ、2021年11月1日受付より、現行の資格制度を一部変更いたします。
一般社団法人日本CATV技術協会では、昭和58年(1983年)から「有線テレビジョン放送技術者資格制度」を設け、CATV施設の設置、運用、維持管理等の業務に従事するに必要な技術水準を高めるための講習及び試験を実施してきました。制度創設以来、これまで約34,000人の技術者を育成し技術資格を付与してきました。
この間、多くの自治体では、建造物によるテレビ受信障害解消のための条例や要綱、さらに自治体等が発注する受信障害予測調査等における発注仕様書等において「調査にあたっては有線テレビジョン放送技術者資格を有するものによること」等、記載されるなど活用されてきました。
今回の改正では、専門に特化したエキスパート資格を廃止し、資格としては第2級CATV技術者、第1級CATV技術者、CATV総合監理技術者の3資格に集約いたします。
ケーブルテレビに関する専門的技術と正しい知識をもった技術者を育成することができます。また、有線テレビジョン放送の登録申請において「一般放送の業務を適確に遂行するに足りる技術的能力があること」が求められますが、CATV技術者資格取得者を配置することによってそれを示すことができます。
CATV設備の工事に必要とされる技術や知識、CATV設備の安全性信頼性に関する知識等を習得することができ、高品質の工事やメンテナンスの実現に貢献します。
元請け事業者によっては、CATV技術者資格取得者を工事発注要件に指定している場合があり、仕事の受注に役立ちます。
CATVに利用される機器や設備の技術に関する知識を習得できるため、高品質・高性能な製品の実現に貢献できます。CATVに関する専門的技術と正しい知識をもって営業活動を行うことができるため、お客様や取引先との信頼関係の醸成に役立ちます。
自治体へ建築確認申請を行う場合、その建造物が一定規模以上であるときには、建造物受信障害予測事前調査を自治体から要求される場合があります。自治体の中高層建築物に関する指導要領等にこの調査をCATV技術者資格取得者が行うことと指定されている場合があり、仕事の受注に役立ちます。
新制度の主な変更内容は以下の通りとなります。
現在、CATV事業を取り巻く環境は、放送のデジタル化や放送・通信の融合に始まり、4K8K放送など、高度化していく放送技術や多様化するサービスなどの幅広い知識を必要としています。この社会的要請にこたえるため、CATV技術者には、幅広い基礎知識を習得してもらう必要があると考え、専門に特化したエキスパート資格を廃止し、資格としてはCATV総合監理技術者、第1級CATV技術者、第2級CATV技術者の3資格に集約いたします。
以前、CATV技術者資格の受講受験実施場所は、全国8都市に限定されており、受講受験者の皆様には実施場所までの移動が必要であり、講習試験のために最大5日半業務を休む必要がありました。さらには自然災害の発生や感染症罹患等により受講受験が困難となる場合もありました。そこで、時間や場所の制約をできだけなくすため、eラーニング及びCBT(Computer-Based Testing)を採用することといたします。
eラーニングの導入に伴い、現行の更新課題レポートを廃止し、更新方法もeラーニングによって行うこととします。
以前、「CATV総合監理技術者」、「第1級CATV技術者」及び「CATVエキスパート」資格における受講受験科目は、受信調査、施工、システム、ブロードバンド及び法規の5科目でした。受験する方の学習範囲や費用面での負担軽減を目的に、これらの科目を整理統合して「システム」、「調査・施工(受信調査と施工を統合)」、「ブロードバンド」の3科目に再編成します。法規は、受講受験および更新科目としては廃止しますが、各科目に付随する内容を学習していただきます。これにより、CATV総合監理技術者の受講受験および更新科目は「システム」、「調査・施工」、「ブロードバンド」の3科目、第1級CATV技術者の場合は「システム」、「調査・施工」の2科目となります。第2級CATV技術者の場合は法規と技術を統合して、新しく「CATVの基礎」として1科目となります。
「CATV総合監理技術者」及び「第1級CATV技術者」資格の付与において、1年以上の実務経験要件が必要でしたが、CATV業界外で勤務する方、CATV業界で勤務する方であっても実務経験要件に該当しない方やCATVに興味を有する大学や専門学校の学生の方の資格取得を可能とするために実務経験要件を廃止いたします。
2012年度に開始された更新ポイント制度は、当協会主催の指定する講習会に参加することでポイントを取得し、一定のポイントが貯まった方には更新課題レポートを免除する選択肢を新たに設けましたが、対象資格者の方々の更新ポイント利用率が低いことから、この度、2020年度開催の講習会をもちまして、更新ポイントの付与を終了させていただくことにいたしました。
2020年度までに保有した更新ポイントにつきましては、そのポイントの有効期限まで今までと同様に10ポイント単位で使用することが出来ます。このポイント制の廃止につきましては、2020年4月にお知らせした内容から変更はありません。
CATV技術者資格は、CATV設備の設置、運用、維持管理に必要な技術的能力を有すると認められる者に与えられ、以下の資格区分で構成されます。
区分 | 要件 |
---|---|
CATV総合監理技術者 | CATV設備のシステム、調査・施工、ブロードバンドの専門的な技術知識を有し、CATV設備全般の設計・設置・維持管理等に関する業務を総合監理できる技術者 |
第1級CATV技術者 | CATV設備のシステム、調査・施工の専門的な技術知識を有し、CATV設備全般の設計・設置・維持管理等に関する業務を管理できる技術者 |
第2級CATV技術者 | CATVに係わる基本的な技術知識を有し、CATV一般ユーザへの適切な指導、助言ができる技術者 |
CATV技術者資格は、CATV設備の設置、運用、維持管理に必要な技術的能力を有すると認められる者に与えられ、以下の資格区分で構成されます。
左右にスクロールしてご覧いただけます。
取得可能資格 | 受講受験科目 | |||
---|---|---|---|---|
システム | 調査・施工 | ブロードバンド | CATVの基礎 | |
CATV総合監理技術者(注1) | ○ | ○ | ○ | ― |
第1級CATV技術者 | ○ | ○ | ― | ― |
第2級CATV技術者 | ― | ― | ― | ○ |
注1 : システム科目、調査・施工科目、ブロードバンド科目を受講、受験し、ブロードバンド科目が不合格だった場合は、第1級CATV技術者資格が取得可能。
科目合格の有効期間は2年間です。有効期限内であれば、合格している科目は再度受験する必要はありません。
左右にスクロールしてご覧いただけます。
取得可能資格 | 受講受験科目 | |||
---|---|---|---|---|
システム | 調査・施工 | ブロードバンド | CATVの基礎 | |
CATV総合監理技術者(注2) | ― | ― | ○ | ― |
注2:第1級CATV技術者資格を保有されている方が、ブロードバンド科目を受講、受験し、合格すればCATV総合監理技術者が取得可能。
保有資格は有効期限内のものに限ります。
左右にスクロールしてご覧いただけます。
取得可能資格 | 受講受験科目 | |||
---|---|---|---|---|
システム | 調査・施工 | ブロードバンド | CATVの基礎 | |
CATV総合監理技術者(注1) | ○ | ○ | ○ | ― |
第1級CATV技術者 | ○ | ○ | ― | ― |
注1:システム科目、調査・施工科目、ブロードバンド科目を受講、受験し、ブロードバンド科目が不合格だった場合は、第1級CATV技術者資格が取得可能。
科目合格については、「資格をお持ちでない方」を参照してください。
お問い合わせ、ご意見、ご要望は、このホームページの「お問い合わせ」におよせください。